これで安心!揚げ物の温度失敗を解決 焦げ付き・生焼け・カラッと揚がらない時のリカバリーと防止策
揚げ物の温度失敗、なぜ起こるのか?
揚げ物は、食卓を華やかにする人気の調理法ですが、温度管理が難しく、焦げ付き、生焼け、衣がベタつくなど、失敗しやすいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に揚げ物に慣れていない場合、適切な油の温度が分からず、思ったような仕上がりにならないことがあります。
このような揚げ物の失敗は、主に油の温度が原因で起こります。この記事では、揚げ物の温度管理に失敗した際のリカバリー方法と、次に失敗しないための具体的な防止策をご紹介します。
失敗の原因
揚げ物の失敗は、油の温度が適切でないことに起因することがほとんどです。
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油の温度が高すぎる場合:
- 衣の表面だけが急激に加熱され、焦げ付いてしまいます。
- 一方で、中心部まで十分に火が通らず、生焼けになることがあります。
- 食材の旨味や水分が必要以上に失われ、硬い仕上がりになることもあります。
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油の温度が低すぎる場合:
- 食材や衣が油を吸い込みやすくなり、衣がベタついたり、カラッと揚がらなかったりします。
- 揚がるのに時間がかかり、中の食材が加熱されすぎて硬くなったり、風味が損なわれたりすることがあります。
また、一度にたくさんの食材を油に入れると、油の温度が急激に下がってしまい、結果的に低温で揚げることになり、衣が油を吸ってベタつく原因となります。
具体的なリカバリー方法
揚げ物の温度管理に失敗してしまっても、状況によってはリカバリーが可能です。
衣は焦げたが中は生焼けの場合
衣が焦げ付いてしまったものの、中まで火が通っていない状態は、そのまま食べると安全ではありません。以下の方法で、中心部まで火を通すことを目指します。
- 一度油から引き上げる: 揚げすぎるとさらに焦げ付いてしまうため、すぐに油から引き上げ、キッチンペーパーなどで油をしっかり切ります。
- オーブントースターやオーブンで加熱する: アルミホイルで焦げ付いた部分を覆うか、全体を包み、160℃程度の低温に設定したオーブントースターやオーブンでじっくり加熱します。竹串などを刺してみて、透明な肉汁が出れば火が通っています。
- 電子レンジで軽く加熱後、短時間揚げる(注意が必要): 電子レンジで中心部を軽く加熱し(数十秒程度)、その後、油の温度を適温(170℃〜180℃)に戻して、再度短時間揚げる方法もあります。ただし、電子レンジで加熱した直後の食材を油に入れると、水分が蒸発して油が激しく跳ねる危険がありますので、十分な注意が必要です。可能であれば、オーブンやオーブントースターでの加熱をおすすめします。
衣がベタつく、カラッと揚がらない場合
油の温度が低かったために衣が油を吸ってしまい、カラッと揚がっていない場合は、以下の方法で改善を試みます。
- 油の温度を適温に戻す: 一度油から引き上げ、油の温度を170℃〜180℃にしっかり温め直します。
- 再度、短時間揚げる: 温め直した油に、ベタついている揚げ物を再度入れ、衣がカラッとするまで30秒〜1分程度、短時間だけ揚げます。揚げすぎると硬くなるため、様子を見ながら行います。
- 揚がった後の油切りを徹底する: 揚がった後は、網に乗せて油をしっかり切ります。キッチンペーパーを敷いたバットに乗せる場合も、揚げ物とキッチンペーパーの間に網を挟むなどして、蒸気でベタつかないように工夫すると良いでしょう。
失敗の防止策
揚げ物の失敗を防ぐためには、事前の準備と揚げている間の温度管理が最も重要です。
- 適切な油の温度を知る:
- 170℃(中温)の目安: 菜箸を油に入れたとき、細かい泡がシュワシュワとすぐに上がる状態です。コロッケやとんかつなど、中に火を通すのに時間がかかるものに向いています。
- 180℃(高温)の目安: 菜箸を入れたとき、勢いよく大きな泡がすぐに上がり、パチパチと音がする状態です。かき揚げや天ぷら、唐揚げなど、短時間でカラッと揚げたいものに向いています。
- 初心者の方は、温度計を使用するのが最も確実です。
- 油の量を十分に用意する: 揚げる食材が半分から2/3程度浸かる量の油を使用することで、油の温度が安定しやすくなります。
- 一度に揚げる量を調整する: 鍋に食材を詰め込みすぎると、油の温度が急激に下がります。一度に揚げる量は、油の表面積の半分程度を目安にし、数回に分けて揚げましょう。
- 揚げる時間を把握する: 食材の厚さや種類によって適切な揚げ時間は異なります。レシピに記載されている時間を参考にしつつ、揚がったサイン(衣の色、食材の浮き上がり、竹串を刺した時の感触や肉汁の色など)を確認しながら揚げましょう。
- 揚げ終わったらしっかり油を切る: 揚げ網に乗せて油を切ることで、余分な油が落ち、カラッと仕上がります。
まとめ
揚げ物の焦げ付きや生焼け、衣のベタつきといった失敗は、主に油の温度が適切でないことが原因で起こります。しかし、温度が高すぎた場合、低すぎた場合それぞれにリカバリー方法があり、失敗を恐れる必要はありません。
適切な油の温度を把握し、油の量や一度に揚げる量に注意することで、多くの失敗は防ぐことができます。温度計を活用したり、菜箸を入れたときの泡で温度を見極める練習をしたりしながら、ぜひ美味しい揚げ物作りに挑戦してみてください。失敗しても、今回のリカバリー方法を思い出していただければ安心です。